御恵投いただいて読書メモを公開するのもどうかと思うけれど,ようやく読めたので。
お薦めできる読者層 司法福祉に関心のある社会福祉士その他の福祉関係者,福祉連携が何をやっているのがのイメージのない弁護士。
ときどき,ちょっとそれどうなん?という記述があるけれど,だいたいは読んでも良い本と思う。いまからでも精神科の医師に監修してもらう必要があるんじゃないかな。
- 更生支援の必要性とその目的
- 刑罰による対応だけでは限界がある。
- 理由として2つ。
- 刑務所における処遇の課題
- 受刑者が犯罪をせずに生活する方法を学ぶ機会に必ずしもなっていない。
- 釈放時援助の課題
- 満期釈放者への援助の欠缺
- 拘禁の悪影響と援助の必要性
- 刑務所における処遇の課題
- 事例 下関駅放火事件
- なぜ社会福祉関係者による支援がもとめられるのか★見出しと内容不一致?
- 出口支援のはじまりと入り口支援への広がり
- 試行錯誤が続く。
- 弁護士・社会福祉士が個別事件を通じて協力し,更生支援を進めていく枠組の提案
- 支援を必要とする人達の数的現状
- 刑務所収容者に占める,精神障害・知的障害およびこれらの疑いがかなりの数を占める。高齢者も植えてきている。
- 回転ドア現象
- 社会福祉による更生支援の目的
- 全人間的な権利の回復としての更生(リハビリテーション)
- 更生支援計画の意義
- 更生支援計画とは
- 福祉専門職の立場から・・・具体的な内容を★見出しと内容不一致?
- 個別支援計画・サービス等利用計画との違い
- 個別支援計画等→本人の望む生活が実現できるような支援の計画
- 本人を中心として立案されるという点では差異はない。
- 障害の有無不明瞭,限られた期間等の制限。
- ★難しいと言っているだけで,見出しと不一致。
- 更生支援計画の目的
- 本人のレジリエンスが正常に機能するような支援を行い,本人が同じような行為に及ばずに,安心して,その人らしい生活ができることを目指すこと
- 刑事手続において,適切な支援が用意されており,これによって本人が同じような行為に及ぶ可能性が低くなるということを,検察官や裁判所に納得してもらうこと★「刑事手続において」の位置が多義的
- 刑事司法における更生支援計画の位置付け
- 刑事司法手続概略
- 出口支援概略
- 出口支援で解決できない問題~刑事施設処遇不適
- 入口支援
- 新長崎モデル
- 更生支援コーディネーター
- 入口支援と出口支援の切れ目をつなぐ更生支援計画
- 刑事責任と障害の関係
- 障害と犯罪行為の関係
- 障害と犯罪とに直接的な因果関係は認められていない
- 2つの観点
- 虚偽自白・有効な防御の機会の喪失
- 犯罪行為に至るのもやむをえない環境的・心理的要因
- 生物・心理・社会モデル★ここでこれを説明する必要ある?
- 有責性との関係
- 障害特性がその事件に影響を与えている場合,障害がない場合と同じ程度の非難をすることはできない。
- 再犯可能性との関係
- 更生支援計画は再犯予防を目的とするものではないが,再犯可能性の減少につながるものである。
- 障害と犯罪行為の関係
- 更生支援コーディネーターの役割
- 入口支援を担う福祉専門職として
- 弁護士の役割との違い
- 刑事事件における弁護士の仕事は,国家権力をチェックすること。
- 支援コーディネーターは,福祉の独立した専門職として,本人にどういう支援ができるかを判断する。
- 更生支援コーディネーターの活動の流れ
- 更生支援計画とは
- 理想の更生支援計画とは
- 更生支援計画の基本原理
- 作成にあたって重要なこと
- アセスメント
- 多職種連携
- 具体性・実現可能性
- 十分な活動に裏づけされていること
- 刑事手続の進行にあわせて作成すること
- 「再犯可能性の低下」を立証すること★役割論との間に矛盾がないか?
- 分かりやすい内容・表現であるごと
- 提出後の支援において重要なこと
- 再犯防止のみにとらわれず,失敗を許す。
- アフターフォローする
- 刑事手続についての基礎知識
- 捜査段階の刑事手続
- 捜査から公判までの流れ
- 釈放されるタイミング
- 勾留請求前
- 勾留後
- 起訴後保釈
- 判決後
- 捜査段階の刑事手続の概要
- 捜査段階における刑事弁護人の役割
- 捜査段階で支援コーディネーターがやるべきこと
- 時間との勝負
- 速やかに打合せ
- 基本的に情報はない。
- 被疑者との面会する際の留意点
- 時間制約
- 時間制約のない弁護人との分業
- 接見禁止
- 公判段階の刑事手続
- 公判段階への移行
- 保釈
- 更生支援計画の重要な要素になるので,情報を得ておく必要。
- コラム 立替制度と保釈保証書発行事業
- 公判手続
- 証拠の扱い
- 判決
- 上訴
- 刑事手続の中で関わる難しさ
- 身体拘束と時間的制約
- 刑罰の種類と意義
- 刑罰の種類
- 執行猶予の意義
- コラム 実刑かどうかの目安
- 保護観察付執行猶予の意義
- コラム 前科と前歴
- 少年事件
- 少年事件の特徴
- 少年法の目的 法1条 保護主義
- 要保護性を考えて処分が決められるという点に特徴★要保護性を将来再非行に及ぶ可能性があるか,だけに限定しているのはちょっと変わっている?
- 通常の刑事事件以上に更生支援計画の持つ意味は大きい。
- 少年事件における手続の概要
- 少年事件における付添人の役割
- 少年事件における支援コーディネーターの役割
- 支援の必要性
- 要保護性の判断に影響を与えることが狙い★要保護性を再非行に限定しておいてこう述べるのは,前の部分と矛盾している?
- 支援の方法
- 他の場合と同様。
- 証拠制限がない。
- 支援の必要性
- 少年事件の特徴
- 医療観察法審判
- 医療観察法とは
- 対象行為
- 対象者
- 大まかな手続の流れ
- 医療観察法審判における支援コーディネーターの役割
- 判断要素
- 疾病性
- 治療反応性
- 社会復帰阻害要因
- 帰住先がなぽと社会復帰阻害要因が容易に認定される。
- 現在のところ,指定入院機関で行われている医療は,あくまでも精神障害,とりわけ統合失調症のプログラムに特化しています。現状として,知的障害のある方などは,行われているプログラムに適合しないケースが多いのです。★何名かの医師が激怒しそうな…。
- 医療機関の遠隔地問題。
- 支援の必要性
- 支援の方法
- 判断要素
- 責任能力★なんでここで説明する…。もっと前じゃない?
- 責任能力とは何か
- ★講学的説明
- 責任能力の判断方法
- 混合的方法★の表面的説明
- 責任能力を考える際の「精神の障害」とはどのような障害を指すのか
- いわゆる精神疾患に限られないが,特定の必要はあり,ICDやDSMに基づいてされることが多い。
- 善悪を判断する能力や,その判断に従って行動をコントロールする能力の判断方法
- 前後の要素を広く取り入れて行為時の内面を推認する総合考慮の手法が採用
- 統合失調症など幻覚・妄想を伴うケースでのポイント
- 平成19年司法研究,浦和地判平成元年
- 知的障害のケースでのポイント
- IQ
- 奈良地判平成15年
- 発達障害の場合
- 発達障害の影響のみをもって,責任能力が否定された例は報告されていません。★うん,そりゃそうだよね。理論的にあり得ないから…。
- さ地川越支決平成18年,東京高判平成19年
- 鑑定の位置付け
- 最判平成20年
- 責任能力を争う場合の支援コーディネーターの関与
- 鑑定の前提条件に疑問を呈する
- 鑑定医は把握できていない事情
- 鑑定は,検討すべき資料を十分検討できていないことを指摘することなど。
- 資料
- 以前のカルテ
- 学生時代の学生簿
- 生活保護のケース記録
- 家族・学校の先生・主治医・精神保健福祉士・看護師・ケースワーカー・民生委員・福祉関係職員などの関係者の供述調書
- 前科の確定記録
- 少年時代の社会記録
- 被疑者段階初期の様子
- 弁護士の理解の及ばないところをアドバイスする
- 鑑定の前提条件に疑問を呈する
- 責任能力とは何か
- 精神鑑定
- 精神鑑定の意義と種類
- 簡易鑑定,起訴前本鑑定,裁判所による本鑑定,私的鑑定
- 精神鑑定の意義と種類
- 捜査段階の刑事手続
- 障害についての基礎知識
- 障害とは
- 医療モデル
- 社会モデル
- 障害者権利条約と合理的配慮
- 知的障害
- 知的障害とは
- AAIDD,DSM-5
- 知的障害のある人との関わり方
- 本人の尊重
- 非言語表現・環境への着目★ここで説明されているの,基本的に言語表現じゃない?
- 知的障害とは
- 発達障害
- 発達障害とは
- 発達障害者支援法の定義
- ASD
- ADHD
- 発達障害と二次障害
- 情緒的な関わりが効果的?
- 発達障害のある人との関わり方
- 弱みと強みは表裏一体
- 発達障害とは
- 精神障害
- 精神障害とは
- 法律によって定義が異なる。★なんのためにここで定義を示すのか考えれば,他の書き方があるんじゃないかな…。
- 各精神障害の特徴と配慮
- 統合失調症
- うつ病★発病メカニズムを生物学的仮説と心理学的仮説の混合形態で断定的に書いてるけど大丈夫?
- 双極性障害
- アルコール依存症
- 薬物依存症
- 精神障害とは
- 障害とは
- 以下,具体的手順と実践例