サザエさん一家の銅像と固定資産税

なんとか一家と見ると暴力団かと思う職業病に罹患している今日この頃です。

今日のYOMIURI ONLINEに
サザエさん一家の銅像、課税対象に…商店街困惑
という記事がありました。

東京都世田谷区の東急桜新町駅周辺の名物「サザエさん」一家の銅像が課税対象となり,都から設置者の地元商店街に償却資産として固定資産税納税通知が届いたとの内容です。

土地・家屋でもないのに固定資産税?という疑問を目にしたので条文を追ってみることにしました。

固定資産税に関する,法律の規定は地方税法341条以下にあります。

同法によると固定資産とは「土地,家屋及び償却資産を総称」するもので(同法341条1号),今回問題の銅像は,償却資産にあたるとされています。

償却資産とは,
「土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を除く。)でその減価償却額又は減価償却費が法人税法 又は所得税法 の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。)をいう。ただし、自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除くものとする。 」
とされており(同条4号),かなり長い定義なのですが,
今回の問題に関連する限りで短くつめると,
土地・家屋以外の「事業の用に供することができる資産」でその減価償却が経費に算入されるもの
ということになります。

報道で,
都は「PR目的の看板と同じ」としているが、
とあるのは,「事業の用に供することができる資産」に当たるのだということをいっているのですね。

商店街側は「税金を取られるとは思わなかった」と困惑している。
とのことですが,お金のかかる事業を行うときには税金がついてまわるものです。

銅像のコストが4200万円で税額は58万9200円とのこと。
固定資産税率が1.4%で,4200万円の1.4%だと58.8万円なので,だいたいあってますね。

そういえば,某有名ネコの像で著作権処理してなかった商店街がありましたっけ…。
変わったことに多額のお金をつぎ込む際には,かならず専門家に御相談下さい。