「『純米?』『大吟醸とは?』日本酒の難語を5分で理解するまとめ」を理解するまとめ

「純米?」「大吟醸とは?」日本酒の難語を5分で理解するまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2138086792007904201

このまとめが難解だったので,書き直してみたが,5分で読めなくなった。
(もとブログが間違っているのを指摘したかっただけなんだが。)

日本酒に付される酒の種類の表記(製法品質表示の特別名称)としては,「純米大吟醸酒」「大吟醸酒」「純米吟醸酒」「吟醸酒」「特別純米酒」「純米酒」「特別本醸造酒」「本醸造酒」の8種類がある。
これらの製法品質表示の酒(特別名称酒)にあたらない酒が普通酒となる。つまり,

「純米酒」「特別純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」の純米連合
VS
「普通酒」「本醸造酒」「特別本醸造酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」の非純米連合

ということですね。

とあるけれど,そうではなくて,
特別名称酒と普通酒がまず分かれて,特別名称酒のなかに,純米連合,非純米連合があることになる。

特別名称酒全部に共通の条件として,こうじ米使用割合15%以上がある。
だから,米・米麹だけでつくったが,こうじ米使用割合15%未満の日本酒はアルコール添加ではないという意味では純米だが,特別名称酒としての「純米酒」と表示できない。

もう1つ共通の条件として「香味、色沢が良好」というものがある。これは,「特に良好」という加重された条件になる場合がある。

特別名称酒の名称を分解してみよう。

「純米大吟醸酒」   = 「純米」 + 「大吟醸」 + 「酒」
「大吟醸酒」      = 「大吟醸」 + 「酒」
「純米吟醸酒」    = 「純米」 + 「吟醸」 + 「酒」
「吟醸酒」       = 「吟醸」 + 「酒」
「特別純米酒」    = 「特別」 + 「純米」 + 「酒」
「純米酒」       = 「純米」 + 「酒」
「特別本醸造酒」  = 「特別」 + 「本醸造」 + 「酒」
「本醸造酒」     = 「特別」 + 「本醸造」 + 「酒」

表で整理して見よう。 あとの説明で必要なので,精米歩合も追記しておく。

特別名称 純米 本醸造 大吟醸 吟醸 特別 精米歩合
純米大吟醸酒 50%以下
大吟醸酒 50%以下
純米吟醸酒 60%以下
吟醸酒 60%以下
特別純米酒 60%以下 または 特別な製法
特別本醸造酒 60%以下 または 特別な製法
純米酒 条件なし
本醸造酒 70%以下

純米,本醸造,大吟醸,吟醸,特別の5つについて理解すれば良いことが分かる。順番に見ていこう。

特別名称酒で「純米」とある場合,醸造アルコールは添加していない。精米歩合の条件はない。

精米歩合70~60%
【純米】純米酒
【醸造アルコール入】 本醸造酒

 

 

とあるのは間違いで,純米酒には精米歩合条件はない。

特別名称酒の中で「本醸造」とある場合,かならず醸造アルコールが添加されている。しかし,「本醸造」は本来的には製法に関する名称なので,おなじく製法に関する名称である「吟醸」や「大吟醸」がつく場合には重ねてつけない。

特定名称のなかで「吟醸」とつくのは,「精米歩合60%以下」「吟醸造り」という形式的な条件を満たす場合。

精米歩合というのは,酒をつくるにあたって米を削る際の割合をいう。60%以下というのは元の重量の60%以下まで削る場合をいい,つまり40%以上分を削り落とすことをいう。普通の米粒を想像するととてつもなく難しそうだが,酒米の粒は普通の食用米の数倍大きい。萩乃露の里山のように食用米を削った珍しい酒もあるが技術的にはとてつもなく難易度が高い。

特定名称のなかで「大吟醸」とつくのは,「精米歩合50%以下」「吟醸造り」という形式的な条件と「固有の香味、色沢が特に良好」という結果の加重条件を満たす場合。

特定名称のなかで「特別」とつくのは,「精米歩合60%以下」または「特別な製造方法(要説明表示)」という形式的な条件と「香味、色沢が特に良好」という加重条件を満たす場合。

なお,「吟醸造り」とは,「吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造すること」を言うとされている。

ここまでで名称の要素説明は終わり。あとは,組み合わせでわかる。たとえば,純米大吟醸は,アルコール添加しておらず,精米歩合50%以下で吟醸造りをしており,香味・色沢が特に良好な酒ということになる。

では,酒を選ぶにあたってこの基準をどう使うか,である。銘柄ごとに味が違うので色々と難しいのだが一般的な傾向を書いておく。

まず,上の基準を2つにわける。純米か非純米(含む本醸造)か,大吟醸か吟醸か特別か。

純米か否かが一つ目。一般論としては純米酒の方があとくちが残る酒になりやすい。アルコール添加した方がすっきりする。これが1つめの選び方。しかし,日本酒度の表示があって,辛口・甘口がわかる場合などは気にしなくて良い。純米か否かより銘柄差の方が大きい。別の観点として,他の酒は飲めるが日本酒は苦手という人は純米酒が良い。醸造アルコールで悪酔いする人が一定数いる。全部くくると,日本酒になれるまでは純米酒が無難だと思う。

2つめ。大吟醸か吟醸か特別か。まず精米歩合を見る。50%以下なのに吟醸酒の場合,形式条件では大吟醸と同じなので,「香味・色沢が特に良好」という加重条件を満たしていないことになる。ちょっと残念な感じ。60%超の特別酒の場合,特別な製法をとっていて「香味・色沢が特に良好」という条件をクリアしているわけで,興味がわく。ちょっと飲んでみたい。まよったら,大吟醸か特別にいく。どちらも「香味・色沢が特に良好」という加重条件をクリアしていることになるから,その条件確認のない吟醸酒より外れないだろう(とはいえ,大吟醸と吟醸の加重条件は吟香に関するものなので,本当はちょっと違う)。

最後に,日本酒を飲むときは,酒と同量の水を飲むこと。

※特別本醸造酒は本醸造酒だから精米歩合70%以下でないといけない気もするけれど,規定ぶりからすると精米歩合70%超のアルコール添加酒で香味・色沢が特に良好な場合には特別本醸造酒を名乗ってよいような気もする(規定の文言上は無理。)。特別純米酒の場合は精米歩合条件がなく,当然に可能なので,バランスが悪いような悪くないような…。

平成26年度高島市市税等収納対策推進本部 徴収事務研修会

平成26年11月28日 金13時30分~16時10分(担当は15時まで)

標記研修会で私債権徴収研修の講師として講演してきました。
標記会議は多重債務対策連絡会研修をかねており,高島市役所の各部・課の職員の他,社会福祉協議会や公立病院からの参加もありました。

多重債務問題の解決が高島市にとって毎年40億円規模の投資に匹敵すること,現場や窓口の担当者が発見し早期に対策を講じることの重要性,悪質な滞納者に対してとり得る法的手段の概略について講演を行いました。

読書メモ「マニュアルEPUB化ハンドブック 2014年版 [Kindle版]」

マニュアルEPUB化ハンドブック 2014年版

研究会報告の体裁で作成されいてる電子書籍。

第一分科会の原論部分はやや抽象度が高いが,マニュアル作成で悩んでいる人には良い。
その他の部分は具体的なノウハウや特定のツールを前提とするので使いにくい。

書籍のコスパと考えるといまいち。