退職代行会社から退職通知を受け取った会社の対応方法

1)代行会社が通知を送付する権限を有していることの確認

大前提として,退職代行会社(以下「代行会社」と表記。)による退職通知が退職者として記載されている本人(以下,単に「本人」と表記。)の意思で送付されているかどうかの確認が必要です。

LINEや電話による依頼のみで代行を行っている思われる代行会社もあり,なりすましによって代行会社へ依頼することも不可能ではないと思われるところ,当該代行会社がどのように本人の意思を確認しているかが明らかではないからです。

したがって,代行会社から退職通知を受けた場合,代行会社に委任状の呈示を要求しなければなりません。

勤務先の会社として対照できる筆跡くらいはどこかにあるでしょうから,まず委任状の呈示を受けて本人による依頼かの確認をしましょう。

委任状が呈示されない等の理由により本人の意思による通知か否かが確認できない場合は,代行会社と本人にあてて確認できないため有効な退職申出とは取り扱えない旨を通知することになります。

2)即日の退職を認めるか否か

本人の意思による通知の確認ができたとして,次に通知のとおりの即日退職を認めるか否かを検討することになります。

法律上,①期間の定めがない雇用契約の場合は2週間前までの申出,②期間の定めがある場合は労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後はいつでも,1年経過以前はやむを得ない事由がある場合に退職できるとされています(その他の場合もあるほか,就業規則の検討も必要です。)。

したがって,これらの条件を満たさない即日の退職申出を受け入れるかどうかについては検討が必要です。

シフト等人員の都合で営業ができなかったり制限されたりすることとなる場合や業務の引き継ぎを必要とする場合は,即日の退職申出を受け入れることはできないことになりますので,期間の定めのない雇用契約の場合は2週間後,期間の定めのある雇用契約の場合は法定の条件を満たすまでのは退職を認められない旨を,代行会社と本人とに通知して出勤を促すことになります。

代行会社を使って退職通知をしている本人が出勤してくることはあまり期待できないでしょうから,この通知は主に将来の損害賠償の請求や懲戒処分による退職金支払いの削減等のための意味あいが大きくなりますが,通知を行っておかないと,即日の退職を認めたものと理解されかねませんので通知は必要です。

3)有休消化の申出のある場合

有給休暇を使い切った時点での退職の申出がされる場合もあります。

この場合,就業規則等に照らして申出が有効となるのはどの時点であるか,退職がどの時点であるかを検討した上で対応を考えることになります。

時季変更権による出勤と引き継ぎ指示などを出したくなりますが判例上は厳しいものがありますので,引き継ぎの必要等があれば退職時期について本人との間で交渉を行うことになります。この場合,代行会社は交渉権限を有しませんので,代行会社に対して交渉を行うため本人に連絡する旨を通知するとともに,本人に連絡をとって交渉を行います。

4)まとめ

法律上,退職代行会社は,本人の意思を一方的に通知することしかできません。また,退職代行会社から退職通知があったからといって,そのとおり即日の退職となるものでもありません。

無意味に紛争を生じさせるのは双方にとってコストですから,是が非でも退職代行会社による通知の効力を否定すべきということにはなりませんが,他方で雇用主として請求できる事項については適切に請求したいところです。退職の通知を受けた際,そのままの退職を認めるべきかを迷う場合には早急に弁護士に相談されることをおすすめいたします。

刑事弁護人レーティングサイト・評価方法案

刑事弁護人のレーティングサイトを構想中です。評価方式をつぎのようなあたりで考えていますが,ご意見があれば適宜の方法(TwitterとかTwitterとかTwitterとか。こちらへのコメントでも良いですが。)でお知らせ下さい。

当サイトのレーティングの方式は以下のとおりです。

加点項目

次の各項目に該当する弁護士は各項目ごとに評点に記載の点数を加える。

弁護人として無罪又は一部無罪を獲得した者(確定を要しない。)。ただし,当該弁護人の活動と無関係に無罪判決が下されたと認められる場合を除く。(1件目10点,2件目5点,3件目3点,4件目2点。5件目以上考慮せず。)

弁護人として再審開始決定を得た者(確定を要しない。)。ただし,当該弁護人の活動と無関係に決定がされたと認められる場合を除く。(10点)

弁護人として少年法55条移送の決定を得た者。(5点)

季刊刑事弁護の新人賞を受賞したもの(5点)

過去3年の平均で年間10件以上の刑事事件を経験した者(5点)

過去5年以内に再度の執行猶予判決を得た者(5点)

過去5年以内に1項破棄判決を得た者(5点)

5年以内に刑事事件又は刑事法に関する書籍・論文の執筆がある者(5点)

法科大学院において刑事系科目を現に担当し又は5年以内に担当していた者(5点)

5年以内に弁護士または司法修習生を対象として刑事弁護または刑事弁護に関する研修等の講師を行った者(5点)

日弁連の刑事関連委員会の委員であり又は5年以内にあった者(5点)

5年以内に次の研修のいずれかを受講し又はその講師であった者(5点)

NITA研修,TATA研修

減点項目

次の各項目に該当する弁護士は各項目ごとに評点から20点を減じる。

保釈の成功報酬を保釈金額に対する割合をもって定めることを謳い,または5年以内にこのような定めにより弁護活動を行った者(利害相反)

弁護人の判断による接見について回数の上限を設け回数超過部分について別に報酬を受けることを定めることを謳い,または5年以内にこのような定めにより弁護活動を行った者(最善弁護義務違反)

刑事事件について被疑者被告人のためと明らかに認められない行為を行ったことにより懲戒を受け,懲戒の日から10年を経過しない者

レーティングの対象としない者

次のいずれかにあたる弁護士はレーティングの対象としない

インハウスの弁護士

一般的に刑事事件を受任していない可能性が高く,レーティングの対象とすることによって刑事事件を受任しているとの誤解を生じることにより,問い合わせ等の負担をかけるおそれがあるため。

JILAの正会員である弁護士

JILAの正会員の基準として,常勤又はこれに準ずる組織内弁護士と定められていることから,弁護士としての登録が法律事務所である場合であっても,法律事務所の弁護士業務を行っていないもの考えられるため。

レーティングの対象としないよう申出のあった弁護士であって,前述の減点項目のいずれにもあたらない者

一般的には刑事弁護を行わない等の理由により申出による除外をすることが相当と思われるが,これによって否定的な評価を免れることは情報提供の意義を失わせることとなるため。

当職

当サイトの作成者であるところ,評価の適正性に疑義を生じるため。なお,参考までに評点自体はみることができるものとするが,一般のランキングには登場させない。

 

将来の課題 少年付添人について別の評価指標がいるかもしれない。

司法試験刑事系短答平成30年第2問の解説

問題

次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。

ア.甲は,同僚Aを会社の備品倉庫内に閉じ込めて困らせようと考え,午後7時頃,Aが一人で作業をしていた同倉庫の全ての出入口扉に外側から鍵を掛けた。Aはそのことに気付かず,もともと同倉庫で深夜遅くまで仕事をするつもりであったので,そのまま作業を続けていたところ,午後10時頃,たまたま同倉庫にやって来た他の従業員が出入口扉の鍵を開けた。この場合,甲には監禁罪は成立し得ない。

イ.甲は,別居中の元妻Aが単独で親権を有する生後数日のBを連れ去ろうと考え,A方を訪問した上,Aがトイレに行っている隙に,ベビーベッドで寝ていたBを連れ去った。この場合,Bには移動の自由が全くないから,甲には未成年者略取罪は成立し得ない。

ウ.甲は,捜査車両をのぞき見て同車両のナンバーを把握するため,警察署の建物及び敷地への外部からの立入りを制限するとともに内部をのぞき見ることができない構造として作用し,建物の利用のために供されている高さ約2.5メートルのコンクリート塀を正当な理由なくよじ登り,その上部に立って同警察署の敷地内の捜査車両を見て立ち去った。この場合,甲には建造物侵入罪は成立し得ない。

エ.甲は,Aに恨みを抱き,「ふざけるな。おまえの妻Bを酷い目に遭わせてやる。」という電子メールをA宛てに送り付けた。BがAの内縁の妻であった場合,甲には脅迫罪は成立し得ない。

オ.甲は,深夜,A方に侵入し,泥酔して熟睡中のAにわいせつ行為をして,Aに全く気付かれないままA方を出た後,A方から約100メートル離れた路上で,警ら中の警察官Bから職務質問を受けたため,逮捕を免れる目的で,Bを拳骨で殴打してBに傷害を負わせた。この場合,甲には準強制わいせつ致傷罪は成立し得ない。

1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ

解答

5

解説

各選択肢について,個別に検討することになる。

ア)
監禁罪の保護法益については,1)移動しようと思えば移動できる自由とする可能的自由説,2)現に移動しようとする自由とする現実的自由説の対立があり,判例については異論がないわけではないものの,概ね可能的自由説に立つものと理解されている(百選・刑法各論10事件)。

可能的自由説からは,客体が気づかなくてもその可能的自由を侵害すれば監禁罪は成立することから,アは誤りである。

イ)
未成年者略取罪の保護法益は,一次的には被拐取者が現在の生活環境にとどまることであって,移動の自由の問題ではない。また,親権者による未成年者略取を有罪とした最判平成17年12月6日決定の事案がある(百選・刑法各論12事件)。イは誤りである。

ウ)
最高裁平成21年7月13日決定の事案。山口3版5401/11317に言及があるが見落としやすいと思われる。

エ)
刑法222条2項の親族に内縁関係は含まれない(通説)。

オ)
最高裁平成20年1月22日決定の事案を翻案したものと思われる。

強制わいせつ致死傷罪が成立するための死傷の原因となる行為の範囲については限定説と非限定説の争いがある。限定説は,わいせつ行為等それ自体およびその手段として行われた暴行・脅迫に限られるとする。非限定説は,それらに限られず,強制わいせつ・強姦行為と密接に関連する行為・随伴する行為まで広げる見解である。

判例は一貫して非限定説を採用していることから,随伴性の判断基準が問題となる。この点については,わいせつ行為・姦淫行為と死傷の原因となった行為との間に,時間的・場所的接着性,意思の同一性が認められるかにより判断するとの説明がある。

前記判決の事案では,結論からは強制わいせつ致傷罪の成立が認められているが,同事案は,被害者がわいせつ行為に気づいて覚醒し,被告人を問いただすとともに,被告人着衣をつかんだことから,被告人が逃走するため被害者に暴行を加えて傷害結果を生じた事案である。この事案に対してさえ,結論には疑問が呈されている。

他方,本問では被害者は被害に気づいておらず,被害者方を出た後の職務質問をしようとした警察官に対して100メートル離れた場所で加えられた傷害であって,判例の規範によっても随伴性は認められないものと思われる。

解き方

基本書又は判例百選の学習により,ア・イについては判断できる(あるいは過去問学習でア・エについて判断する。)。ウについて知っていればラッキー。オについて事例問題として解いた経験があればラッキーということになるか。

この問題を受けてやること

判例百選等により,基本的な犯罪についてその保護法益と構成要件について正確に理解するようにつとめる。

また,判例百選において,学説からの批判が強い判例については(その批判がある程度の支持を受けていることを前提として)なぜ批判がされているのか,事案をどう変えれば学説に適合的になるのかといった検討をしておくことが望ましい。

司法試験刑事系短答平成30年第1問の解説

問題

刑罰論に関する次の各【見解】についての後記1から5までの各【記述】のうち,誤っているも のを2個選びなさい。

【見解】

A.刑罰の目的は,行為者が将来再び犯罪を行うのを予防することにある。

B.刑罰の目的は,刑罰による威嚇を通して一般人が犯罪を行うのを予防することにある。

C.刑罰は,犯罪を行った者が果たさなければならないしょく罪である。

D.刑罰の目的は,処罰により行為者の行為が犯罪であると公的に確認され,これを通して一般人が犯罪を行うのを予防することにある。

【記述】

1.Aの見解に対しては,軽微な犯罪を行った者であっても,その更生に必要であれば,長期の拘禁刑を科すことが正当化されるおそれがあるとの批判が可能である。

2.Bの見解に対しては,刑罰は重ければ重いほどよいという考え方に陥るおそれがあるとの批判が可能である。

3.Cの見解は,軽微な犯罪を行った者であっても,一般予防の必要性が高いときはその刑を重くしなければならないとの考え方に親和的である。

4.Cの見解に対しては,犯罪を行った者に対し,その処罰を猶予する余地がなくなるとの批判が可能である。

5.Dの見解は,自由意思の存在を認めない決定論を前提として初めて成り立つものである。

解答

3,5

解説

刑罰論の基本に関する出題であるが,受験的に手が回っていない可能性が高い範囲でもある。刑法に極力コストをかけないという観点からは,次のように解く。

まず注目すべきは,各記述の末尾である。「批判が可能である」「考え方に親和的である」「前提として初めて成り立つ」の3種類がある。このうち,「批判が可能である」という選択肢は,見解と記述を検討して可能な経路が1本でもあれば良い。他方,「考え方に親和的である」という選択肢は客観的な評価であると思われ,判断が難しい。また,「前提として初めて成り立つ」という選択肢は,これが不可欠の前提であることを意味するから,他の思考経路が1本でもあれば誤りとなる。

あきらめ良くいくなら,3つある「可能である」を正しいとして,3と5。これで正解になる。

いちおう検討する場合は,「可能である」とする1,2,4から検討する。確信までは要らない。いけそうやなというくらいで確認すればOK。

この問題を受けてやるべきこと

知識で解決できない場合は,選択肢自体の論理構造に目を向ける癖をつけること。

司法試験刑事系短答平成30年第11問の解説

 問題

責任能力に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
1.裁判所は,責任能力の有無・程度について,専門家たる精神医学者の意見を十分に尊重して判定すべきであるから,精神鑑定の意見の一部だけを採用することは許されない。
2.行為者が犯行時に心神耗弱状態にあった場合でも,その刑を減軽しないことができる。
3.犯行時に事物の是非善悪を弁識する能力が著しく減退していても,行動を制御する能力が十分に保たれていれば,完全責任能力が認められることがある。
4.精神の障害がなければ,心神喪失又は心神耗弱と認められる余地はない。
5.14歳の者は,事物の是非善悪を弁識し,その弁識に従って行動する能力が十分に認められる場合であっても,処罰されない。

正答

4

解説

「心神喪失とは,精神の障害により,行為の違法性を認識し(弁識能力),その弁識に従って行動を制御する能力(制御能力)を欠く状態をいう。弁識能力又は制御能力のいずれかが欠けている場合が心神喪失である。また,心神耗弱とは,精神の障害により,弁識能力又は制御能力が(欠如するまでには至らないが)著しく限定されている状態をいう。」山口3版3000/11317

組み合わせではなく,かつ基本的定義のみで正答できることから,消去法ではなく,積極選択を求める問題と思われる。

この問題を受けてやるべきこと

心神喪失・心神耗弱の定義を記憶する。

司法試験刑事系論文平成30年第2問についてのコメント

刑訴法 毎年同じコメントをかいても間に合いそうな感じ…。

強制処分の意義を定義する際には,その理由を付すること。過去の採点実感で書けと指示されている。

強制処分該当性判断は立法と令状の要否という事前抑制のためのものであるから,当該事件において行われた捜査の結果を考慮してはいけない。捜査を実行しようとした時点で行おうとした行為から類型的に判断すること。

捜査手段のうち,任意処分があり得るという点で検証はちょっと特殊な性質を持つ。検証,即,強制処分ではない。

将来犯罪の予防は行政警察であって,捜査の必要にはならない。

伝聞証拠の趣旨について,反対尋問だけ書いても足りない。直接観察,偽証罪の制裁,反対尋問の3つとも必要。公判供述は反対尋問できなくても証拠能力があるというのが判例だし,被告人には反対尋問できないし。

321条1項3号の要件である不可欠性については条解刑事訴訟法を確認しておくこと。1号から3号までのその他の要件も条解刑事訴訟法で確認しておくこと。みんな書けてない。

本件領収書は金の授受の前に作ってあったとしか思えないから,体験供述ではなく,したがって伝聞性はないですよ。

弁護士職務基本規程49条に関する意見

491項は,「弁護士は、国選弁護人に選任された事件について、名目のいかんを問わず、被告人その他の関係者から報酬その他の対価を受領してはならない。」と規定する。

これに関し,国選弁護人が勾留準抗告認容等による釈放によって国選弁護人としての地位を失った後に,不起訴を目指すべく示談活動を行う場合に私選弁護人となることができるかどうかという問題を生じる。

運用としては,本条を堅く解釈してこれを一律に不可とする例(文言に忠実だが弊害が大きい解釈。),会内規定による修正として関連委員長の許可にかからしめる例(解説と平仄はとれるが1項の文言との関係で疑義がある解釈。),身体拘束被疑事件と釈放後事件を別事件と解釈する例(解説に反する解釈。)がそれぞれ存在していると聞く。

本条は被疑者国選弁護制度の開始前から存在している規定であって,現在生じている問題は規程策定上,明確には想定されていなかったものと思われる。

しかし,492項但し書きが一定の場合にいわゆる私選切り替えを許容していると思われること,49条の解説の書きぶり全体からすると許された私選切り替えの場合に一定の報酬を受けることは前提とされていると思われること(1項の「事件」の範囲の解説と平仄が合わないがそう読まざるを得ない。)からすると,釈放によって国選弁護人がその地位を失った後に私選弁護人として活動することを禁じる理由はないと言うべきである。

むしろ,私選選任を不可とすると,釈放時点では当該事件について最も知悉している弁護人を選任できない依頼者の不利益が大きく,過疎地においては依頼可能な唯一の弁護人を選任できない結果としておよそ弁護人の援助を受けられない場合すら生じる。勾留の初期段階で釈放されている場合,国選弁護人として受ける報酬は総額で24万円程度であることも多く,手弁当での活動を期待することにも無理がある。

現在,いくつかの単位会で継続的な勾留全件準抗告運動に取り組んでいること,連合会として逮捕段階までの被疑者国選の拡大を求めていること等からすると,今後この問題の事例はさらなる拡大を続けるものと思われる。

したがって,国選弁護人が勾留準抗告認容等による釈放によって国選弁護人としての地位を失った後に,不起訴を目指すべく示談活動を行う場合に私選弁護人となることができることが明らかとなるような規程の改正又は解説の変更が行われるべきである。

LCCで出張するためのバックパック

フィリピン案件が多くなり,飛行機での出張機会も増えてきました。

基本的にはレガシー・キャリアで飛びたいのですが,夕方や早朝の移動を考えるとマニラへはLCCが便利で,ジェットスターやセブパシフィックで飛ぶ機会がしばしばあります。

LCCは預け荷物に追加費用がかかりますし,マニラ空港は預け荷物の受け取りにとても時間がかかるので,できるだけ機内に持ち込むようにしたいのですが,適したカバンをもっていませんでした。

選択の条件は次のとおりです。

ジェットスターもセブパシフィックも持ち込みの制限は次のとおりです。

56cm × 36cm × 23cm以下。重量7Kg以下。

ジェットスターの計測はいつも適当ですが,セブパシフィックは担当者によって,きっちり計測されることがあるので,この基準を守る必要があります。

購入したのは次のカバンです。

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サイズは51cm x 34cm x 25cmとの表示ですが,紐を収納すると23cmで収まります。

Cabin Zeroの44Lも候補で,サイズの適合度とバックパック自体の重さは軽かったのですが,ポケットがないという弱点がありました。カバンのどのポケットに何を入れるかを固定することで物を整理するタイプなので,ポケットがないのは困るので断念。

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これでもうちょっと帰国時のお土産を増やせるかな。

メモ イギリスの取調べ可視化

月刊大阪弁護士会 2017年5月 報告者 栗林亜紀子先生

1984 The Police and Criminal Evidence Act 録音規定 → 運用規定

現在は警察も肯定的評価。∵筆記不要,捜査側の適切性の証明手段

録音定着して,可視化先進国と言われている。 ※可視化なのか?

証人からの事情聴取録音は規定ない。子どもなどを除いて可視化していない。

被疑者は取調べ前に弁護人と話す機会。取調べへの弁護人立ち会い可能。弁護人要請があれば,弁護人到着前の取調べ不可。

警察からの聴き取り@ブリストル

従前は録音が多かったが,現在は録画に移行しつつある。ボディランゲージなども記録されるので積極的に録画。取調べ冒頭の被疑事実の告知も録画。

弁護人立ち会いは当然。有罪なら話して欲しいが黙秘しても気分を害することは無い。そういうもの。

弁護人との相談希望があれば捜査官が出るし,何度でも中断する。

捜査段階で捜査官は弁護人に対して一定の情報開示を行う。通常は書面。義務づけはないが開示が生産的な取調べに結びつくのでベストプラクティスの観点からする。

書面での開示に対して弁護人から質問を受けることがあるが,その回答も書面化。重大事件では弁護人への開示状況も可視化。後日の争いを避けるため。

媒体そのものの証拠化は,感情面の主張や被疑者の態度等を示す為。証拠になるかは裁判所の判断。

司法試験向け「強制処分」に関する注意

司法試験向け「強制処分」に関する注意

昨日,強制処分の規範定立に際して理由付けが必要かという質問に関連して,いくらかの議論がありましたので,ついでですからいくつか受験生がエラーしやすい点について注意喚起をしておきます。

(本当は,判例時報1月号の笹倉・山本・山田・緑・稻谷座談会を読んで貰うのが一番なんですが,受験生にその要求は酷かなと…。)

なお,以下の説明は重要権利利益侵害説を前提とします。

(最近,田宮説で力業で書くのが試験的には楽なんじゃないかという気がしていますが。)

強制処分の規範定立に理由が必要か

なぜこのような質問が発生するのか理解に苦しむのですが,強制処分の意義について解釈の余地がある以上,一般論として,規範定立に際して理由を述べるべきというは,実定法解釈学として当然のことです。

試験対策という観点で見たときも,平成27年の出題趣旨で,

本設問の解答に当たっては,強制処分法定主義,任意処分に対する法的規制の趣旨を踏まえつつ,前記昭和51年最決の判示内容にも留意して,強制処分と任意処分の区別の基準や任意処分の限界の判断枠組みが検討・提示された上で,【捜査①】及び【捜査②】の各適法性について,設問の事例に現れた具体的事実がその判断枠組みにおいてどのような意味を持つのかを意識しながら,論理的に一貫した検討がなされる必要がある。

と述べられおり,「区別の基準」を「提示」するだけではなく,「検討・提示」することが求められているのですから,そこに結論の「提示」以外の「検討」論述,すなわち理由が必要とされていることになります。

GPS大法廷判決による強制処分の定義

従前,試験用論証としては「(意思に反する)重大な権利・利益を侵害する処分」等の定義がなされてきたところですが,最大判平成29年3月15日において「(個人の意思を制圧して)憲法の保障する重要な法的利益を侵害する」処分との定義が示されていますので,これによるのが良いでしょう。

「重要」とは何か

「重大な権利・利益を侵害する処分」という定義を示しながら,規範定立時に論証がない,あるいは論証していても理解が不十分であるために,「重要」な権利・利益とはの判断が場当たり的な答案が多数ありました。

 

この点,私の講義では,強制処分に関する昭和51年決定(百選1事件)が言う「身体・住居・財産等」の例示は,「身体」の部分について憲法33条・34条の人身の自由に対する保護,「住居・財産」の部分について「住居・書類・所持品」の捜索・押収に対する保護の言い換えであるから,これらあるいはこれらに匹敵する憲法的保障を受けるべき場合を重要と言うという説明をしてきたところですが(松尾先生の基本権説明を試験に適用可能な形に改変したもので学問的正確性は二の次でしてきた説明ですが。),この点に注意を払う答案は依然として少ないように思います。

「憲法の保障する重要」性である点に注意して論述・あてはめするようにしてください。

あてはめが類型論であること

強制処分か否かの判断に際して,当該事案における権利侵害を詳細に検討して,結果的に侵害の程度が小さいので強制ではないとの結論を出す答案がしばしば見られます。しかしながら,強制か否かの判断に際して当該事案における権利侵害を検討することは正しくありません。

強制処分法定主義および令状主義の機能に立ち返って考えてみましょう。

強制処分と判断される場合,強制処分法定主義の規整を受けるとともに,一般的には令状主義の規整をも受けることになります。

したがって,捜査機関としては,これらの制限に反する可能性がある処分を行うことは差し控えるか,刑訴法の規定に則りまた令状を得て行うこととなり,これによって権利保障がはかられます。

ここで,事後的に憲法の保障する重要な法的利益を伴う侵害がないから適法であるという判断をすることは,強制処分法定主義および令状主義の捜査機関に対する事前警告の機能を無視することになります。

したがって,強制処分か否かのメルクマールである憲法の保障する重要な法的利益の侵害であるかの判断に際しては,当該事案における結果から離れて,採られた捜査手段から一般的に生じうる権利侵害を検討と対象とする,仮定的類型判断をしてください。この点の判断の方法については平成21年のX線に関する決定が参考になると思います。

(夕飯の時間になったのでおしまい)

コメントとかリプライを見ていての補足

有形力行使でない強制処分に昭和51年決定が適用可能か

別の規範によるべきとの見解もありますが(川出「判例講座 刑事訴訟法〔捜査・証拠篇〕」が比較的丁寧にこの見解を説明しています。),GPS大法廷判決が規範を示すに際して昭和51年決定を参照していることから,最高裁としては有形力の行使類型であるかそれ以外であるかによって規範を分けていないと評価できる状況であり,少なくとも出題趣旨等を見る限り試験レベルでは同一規範で足りると考えています。

余力のある受験生は分ける見解にトライしてみても良いでしょう。判例操作の作法を学ぶには良い題材だと思います。

昭和51年決定は重要な権利利益侵害をメルクマールとする見解であったか

現在,多くの受験生が強制処分の定義について,重要権利利益侵害説を採用しており,最高裁昭和51年決定は同見解によったものと学習しています。しかし,この説明自体,複数あり得る中の一つの見解である点に注意してください。詳細は法律時報1月号の座談会60頁以下を参照していただくとして,概要は次のとおりです。

昭和51年決定は,その文言上,「意思の制圧」に至っているか否かを中心的規範としていると読むのが素直である。仮に強制処分か否かを重要権利利益侵害説(「権利ドグマティーク」)によって判断しているのであれば,身体・行動の自由の制約の大小を理由として述べることになるはずだが,同決定は大要,「説得」であるから強制処分ではないと判示しているからである。また,香城調査官による解説も権利論によっていない。しかし,「強制」という言葉にこだわるあまり実質的に見て立法を要するはずの捜査活動を「法定主義」の埒外に置く結果が是認されかねない,全事情を総合考慮した結果として「相当」と評価できれば適法とされかねないといった状況があり,学説は,同決定を重要権利利益侵害説(「権利ドグマティーク」)によって読み替えることで,理屈で捜査を規律できる理論体系を作り出した。

でも,試験的には気にしなくてOK。

本記事の構造について

冒頭で「いくつか受験生がエラーしやすい点について注意喚起」と述べたとおり,順をおった項目立てではなく,思いついた順に各ポイントについて解説しているだけですので,各項目の前後に論理的な意味はありません。